知らないと損する⁉お金や税金ニュース Vol.9 ~「節税」と「課税の繰延べ」~
「節税」と「課税の繰延べ」の違いとは?
会社を経営する上では、少しでも税負担を減らして手元資金を残すために、節税対策に大きな関心を持つ経営者も多いでしょう。
ただし「節税」と「課税の繰延べ」が混同されるケースも多く、効果的な節税対策を実現するためには両者の違いについて正しく理解することが重要です。
「課税の繰延べ」は将来課税される可能性あり
「節税」と「課税の繰延べ」の代表例は下表のとおりです。
節税の代表例 | 課税の繰延べの代表例 |
・社宅
・出張旅費日当 ・税額控除 |
・倒産防止共済
・生命保険 ・特別償却 ・一括償却資産、 ・少額減価償却資産 ・短期前払費用 |
「課税の繰延べ」の場合には損金計上の時期を早めたり、保険契約によって損金自体を上積みしたりすることで、現時点での納税額を減らします。
一方で将来の損金の減少や益金計上へとつながることで納税額が増加する可能性があるため、あくまで「課税時期を先延ばしすること」を意味しています。
それに対して本来の意味の「節税」とは、節税効果によって現在の税負担が軽減され、将来の納税額が増えることもない半永久的な対策を表します。
「課税の繰延べ」はタックスプランニングが重要
「課税の繰延べ」の場合には、将来に先送りした税負担を軽減するための出口戦略が重要な場合も少なくありません。
特に倒産防止共済や法人向けの節税保険を活用する場合には、解約などによって返戻金を受けるタイミングで修繕工事や役員退職金などの損金と相殺するケースが一般的です。
無計画に「課税の繰延べ」を行うことでかえってトータルでの税負担が増加するリスクもあるため、将来へ繰り延べる税額が大きい場合には事前にタックスプランニングを検討しましょう。
今回は「節税」と「課税の繰延べ」の違いについて解説しました。
「課税の繰延べ」については将来に繰り延べる税額が大きいほど、入念な出口戦略が重要です。
キャッシュが残る経営を目指し、効果的な節税対策を講じましょう。